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「ヨセフとマリアを覆う闇」   マタイによる福音書 1章18~23節  

2013-12-08

 これから主イエスの誕生、そしてその赤ちゃんを育んでいくために必要なふたりの人物を、聖書はこのように紹介します。 「マリアとヨセフは婚約していた」「二人が一緒になる前に、マリアが身ごもっていることが明らかになった」「ヨセフは正しい人であった」と言います。 夫ヨセフの知らない所で、妻マリアが身ごもっていたことがこの二人に分かったのです。 正しい人ヨセフは戸惑います。 当時の常識では、十分に離縁する理由のある出来事です。 しかし、ヨセフはひとかけらも妻に問いただしも、怒りを顕わにすることもありません。 ヨセフは戸惑いの末に、律法に記された正しさを曲げて「ひそかに」離縁することを決心し思いやりとやさしさを顕します。 その時です。 「ダビデの子ヨセフ」と名を呼んで神は語りかけます。 「恐れず、妻マリアを迎え入れなさい」 その妻「マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのだ」という声をヨセフは聞くのです。 ヨセフ、あなたはダビデの子孫にある。 妻となるマリアが身ごもることは、彼女の不始末などではない。 預言されてきた神の意志である。 選ばれたあなたがた二人が築き上げる家庭にその子を宿すことが、神の意志である。 恐れることはない。 あなたは、「マリアを身ごもったまま受け入れなさい」と命じたのです。 父親の特権でもあった名付けることさえもヨセフに赦されない、神の業であると言われたのです。 その神の業こそ、「神の救い」という名の、聖霊によって宿ったイエスである。 その神の救いの業の中味こそ、預言されてきたように「神は我々と共におられる」という名のインマヌエルの主である。こう告げられたことが、私たちのクリスマスの喜び、救いの中味です。  
 これからどうなるのか分からない暗闇の中で、ヨセフはこの神のみことばの約束に信頼し、従ったのです。 無言の信頼でした。 静かな覚悟でした。 もう一人忘れてはならないのは、マリアです。 何も言い訳しない、釈明も弁護も許されないマリアもまた、不安と悲しみの中に神に信頼したのです。 この二人には、暗闇に覆われた中でも神への信頼を失わなかった深い二人の連帯がありました。 本来、二人の間の新しい命は喜び合い、幸せを噛みしめる出来事の筈です。 この二人にとって喜びとなる筈の赤ちゃんが、二人の戸惑いと不安と絶望を引き起こしたのです。 しかし、神はこの暗闇を通して、人間の正しさや思いやりを越えて、神の救いと約束のみことばを告げたのです。 そのために選ばれた二人であったのです。 そのみことばへの信頼と服従を通して、この二人は本当の夫婦の出会いをしたのではないでしょうか。 この世界の片隅の小さな家族が、神の救いの新しい歴史の幕開けの担い手となったのです。 神が用意してくださった恵みを、二人が暗闇の中を無言のうちに受け取った出来事が、クリスマスの出来事です。 同じように、私たちのささやかな家庭にも最もふさわしい恵みを、クリスマスの出来事を神は用意してくださっています。 私たちの信頼と服従によって、これを受け取っていきましょう。  



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