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「信仰がなくならないように」 ルカによる福音書 22章31~34節

2015-09-20

 時は、イエスが十字架にかけられる前日の夜の食事の時でした。 愛する弟子たちのために、イエスが周到に準備された「明日、十字架に架けられる」という「最後の晩餐」でした。 「シモン、シモン」と、この三年間、寝食を共にしてきたペトロに親しみを込めて呼びかけられます。 ここまで従って来た弟子たちの代表であるペトロに向って、イエスは「サタンが小麦のようにふるいにかける。 そのことを父なる神が聞き入れられた。」と告げたのでした。 聖書は、「十二人の中の一人で、イスカリオテと呼ばれるユダの中に、サタンが入った」と証言しています。 イエスはペトロに向って、「サタンが働きかけるのは、あなたがたである」と忠告されておられるのです。 小麦の収穫の時に、倉に納めるべき小麦であるのか、火で焼き尽くされ捨てられる小麦の殻であるのか。 この収穫の際に、神の働きを妨げようとするサタンが、霊的な力をもって弟子たちをイエスのもとから離れさせようとする。 あなたがたは、今、その危機の中にある。 明日、十字架の刑によって死を迎えるこの私の姿によって、サタンが私のもとからあなたがたを離れさせる。 あなたがたはすべてこの悪の霊の試みの中にある。 ですから、「わたしはあなたのために、信仰がなくならないように祈った」と、弟子たちを代表してペトロにイエスは語ったのでした。 そのようなイエスのとりなしの祈り、切羽詰まった思い、懸命な姿があるにも拘わらず、弟子たちはこの食事の意味が分かりません。 弟子たちの内で、一番偉いのはだれかと話し合っていたと言うのです。 全幅の信頼を置いて従って来たそのイエスが、十字架にかけられて死んでしまうと言われても信じることができなかったのです。 だから、ペトロは「主よ、ご一緒なら、牢に入っても死んでもよいと覚悟しております」と、サタンの試みの中にも、「私はあなたに従います」と宣言したのです。 そのペトロに、イエスは「わたしはあなたのために、信仰がなくならないように祈った。」、「だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」 そのうえで、「ペトロ、あなたは今日、鶏が鳴くまでに、三度わたしを知らないと言うだろう。」と言われたのです。 イエスはもうすでに、ペトロの三度のつまづきを知って、赦しておられます。 イエスが、ゲッセマネの祈りを夜通し祈っている中でも、イエスのとりなしの祈りがあることさえ知らないで寝てしまったことも、ペトロはすでに赦されています。 イエスは、祈るべき時に祈ることのできない私たちに「信仰がなくならないように」と祈ってくださる。 従うべき時に従うことのできない私たちを赦して、立ち直ったら隣人を励ますようにと言ってくださる。 ペトロがイエスの様子を伺うために、目立たぬよう大祭司の家の庭で身を潜めていた時でした。 予測もしなかった女中のひと言で、イエスが予告した通り三度の過ちを犯した、その時でした。 ペトロは、振り向かれて見つめられたイエスの眼差しに出会いました。 そして、イエスの「三度私を知らないと言うであろう」、「信仰がなくならないようにと祈った」、「あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい」というみ言葉がよみがえってきたのです。 どうしても受け入れることのできなかった「惨めな、哀れなイエスの姿」を、「僕の姿、赦しと愛の姿」として、弟子たちの足を洗う姿とともに初めて受け取ることができたのです。 ペトロは、「信仰がなくならないように」というイエスの祈りに支えられて立ち上がりました。 大祭司の家の女中のひと言に脅えたペトロが、今度は、その大祭司の前で「人間に従うよりも神に従わなくてはなりません」とまで告白する者に生まれ変わりました。 イエスはそのままの私たちを赦し、つまずきから再び新しく創り変えてくださる、私たちを捨てておかれないお方なのです。 



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