秋田バプテスト教会 |公式ホームページ

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「交わりを妨げるもの」   創世記11章1~9節

2014-05-25

 言葉は語る者にも、また聴く者にもその心に働きかけ、不思議な力を与えます。 人と人をつなぐ交わりに、大切な役目をもっています。 その言葉が、神によって混乱をもたらされた出来事に耳を傾けたいと思います。 「バベルの塔」と聞いただけで、イメージが湧いてくるのではないでしょうか。 「シンアルの地」とは、チグリス・ユーフラテス下流域の平野一帯、メソポタミヤ、バビロニアのことです。 当時は、バビロニアに移り住んだ人々も、世界中の人々も同じ言葉を使っていた、同じように話していたと書かれています。 この地に移り住んだ人々は、石の代わりにレンガを火で焼き固めることを見出した。 土や砂のしっくいの代わりに、レンガとレンガをつなぐ瀝青と呼ばれるアスファルトをつけて積み上げることを見出した。 次々と強固な建物、道路、水路を造り上げた。 バビロニアの文明を築いた結果、「天まで届く塔を建てよう」という言葉になっていったのでしょう。 人々は、「天まで届かせよう」、「有名になろう」、「全地に散らされることのないようにしよう」とまで、言うようになった。 神を引き下ろし、自分たちを引き上げようとする。 神と人との交わりであるはずのものが、自分のために「有名になろう」とするシンボルに変わってしまう。 神のもとから離れてしまった自分たちだけで集まって、その団結によって「散らされることがないように」と頑張る。 その象徴に、「天まで届く塔」を仕立てようとしたのです。 
 私たち人間は初め、神との交わりのなかに留まっていた。 神との交わりの中に、人と人との交わりもあった。 そうであるのに、神のもとから離れてさまよい、さすらう者となっていったと創世記に記されています。 神の言葉だけにより頼んでいた人々が、神との交わりを失ってしまった。 神は、この失われた交わりは回復されねばならないと、建設途上の「塔」のあるところにまで降りて来てくださったのです。 神が破壊したものは、この「町」でも、この「塔」でもありません。 この人間が自分たちだけのために持とうとした「神なき交わり」、これを言葉の混乱をもって破壊されたのです。 この交わりの回復のために、天まで届く塔を造り上げようとした高慢な私たちのために、アブラハムを選んで信仰を与え、我が子イエスをささげ、聖霊を降して、私たちに「信仰と言葉と力」を与えようとされたのです。 神は、聖霊を用いて、この神との交わり、人との交わりを、再び、「言葉」によって回復されたのです。 それがペンテコステの祝福です。 主イエスは、復活の後、弟子たちの前に現れて、「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。 あなたたちはわたしの名によって新しい言葉を語る」と言われました。 神は私たちを憐れんでおられるから、降って来てくださった。 神に咎められるから、私たちには希望がある。 散らされたところで、つらくとも神のもとに留まり信頼し続ける。 そこに、交わりの回復のために新しい言葉が与えられる。 この新しい言葉が聖霊によって、語る者にも、また聴く者にも働く。 そこに神との交わりが回復する。 神にあっての人との交わりが回復される。 主イエスは、この「新しい言葉を語るようになる」とは、私を信じる者に伴う「しるし」だと言われました。 神との交わりが聖霊によって回復されるペンテコステ。 その交わりから、人と人との交わりが回復される。 このバベルの塔に、神の救いのご計画への備えがなされた、神の恵みの出発点であったことを見出していきたいと思います。



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