秋田バプテスト教会 |公式ホームページ

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「漕ぎ出た私たちの舟」 マルコによる福音書 4章35~41節

2013-02-10

 湖のほとりの大群衆に向かって小舟の中から教えておられたイエスは、夕方になって「向こう岸に渡ろう」と言い出します。 大群衆を湖のほとりに残したまま、イエスを乗せた舟は、向こう岸に向けて漕ぎ出します。 その夜、激しい嵐に出会う。 向こう岸に着いた途端、汚れた霊に取りつかれた人に出くわす。 死にそうになっている幼い娘を抱える人が、困ってイエスのもとに駆け寄って来る。 決して治ることのなかった難病をもつ人が、イエスに触れようとその背後から近寄って来る。 イエスは、向こう岸にいる苦しむ異邦人の待つところに「渡ろう」と、弟子たちに語られたのです。 しかし、弟子たちは、向こう岸での務めにふさわしくない信仰にあることを顕してしまいます。 手慣れた湖と舟のかじ取りであったので、激しい嵐に自分たちの経験と知恵によって格闘します。 ついに、その経験と知恵を越えた嵐であることが分かった時、それが恐れに変わります。 イエスを必要としない弟子たちの姿が、ここにあります。 弟子たちは、眠っているイエスを不快に思います。 イエスを呼び起こして「先生、わたしたちがおぼれてもかまわないのですか」と、憤りをもって叫びます。 弟子たちはたった今、病人を癒し、力強く神の国の福音を語るイエスを、大群衆と共に間近に見て聞いていたはずです。 しかし、イエスは、この弟子たちの不信仰な叫びに応え、時にかなった助けを与えます。 激しい風と荒れ狂う湖に向かって「黙れ、静まれ」と叫び、神への信頼のうちに神の力に包まれて眠っておられたご自身の姿を示されます。 そして、「なぜ怖がるのか。 まだ信じられないのか。」と嘆かれたのです。 イエスご自身が「向こう岸に渡ろう」と言われたのです。 そこには、神のみこころがあるのです。 イエスは、眠っておられたけれども、一緒にその舟に乗っていてくださっていたのです。 弟子たちはそこで、「いったい、この方はどなたなのだろう。」と、もう一度立ち止まり、イエスを改めて仰いで見出したのです。 
 最初の頃の教会の群れは、ユダヤ教からもローマ帝国からも迫害を受け、この嵐の中の小舟のように翻弄されました。 しかし、聖霊に満たされて「復活の主」の生きた証人となっていたこの教会の群れは、イエスが自分たちをともなって「向こう岸に渡ろう」と乗りこんだこの舟を、自分たちの教会の姿に見てとったのです。 不信仰な叫びを挙げる自分たちを乗せた舟に、「復活の主」がともに乗りこんでくださっている。 その時にかなった助けによって、時代の突風を突き通して向こう岸に向かっている。 着いた向こう岸で、想像もつかなかった「復活の主」の恵みの業を目の当たりにしている。 弟子たちは、この「向こう岸」に向かう舟こそが、自分たちの姿である事を悟ることができたのです。 私たちは、この「向こう岸に渡ろう」とイエスが語りかける途上の舟の中にともにいるのです。



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