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「皆さん、元気を出しなさい」 使徒言行録27章21~26節

2016-10-23

 パウロはエルサレムでの騒ぎに巻き込まれ、ローマの役人に捕らえられていました。 しかし、ローマの市民権をもっていたパウロはローマ皇帝に直訴することを願い出たために、ローマに護送され、裁判にかけられることになっていました。パウロの長年の祈りは、世界の中心地ローマの信徒たちと会い、彼らに送り出されて地の果てイスパニアまで福音を語ることでした。 神もまた、「勇気を出せ。 エルサレムでわたしのことを力強く証ししたように、ローマでも証しをしなければならない。」(23:11)とパウロを導いていたのでした。 神の深いみ心によって、パウロは囚人としてローマに運ばれようとしていたのです。 パウロが乗せられていた船は、貿易のための積荷がいっぱい載せられていた船でした。 276人もの人々を乗せていた大きな船でした。 そこには、百人隊長が指揮するローマの兵士たち、パウロなどの囚人たち、貿易商人たち、ユダヤ人、ギリシャ人、イタリア人、エジプト人など様々な人々が乗っていたと言われています。 その船が「エウラキオン」と呼ばれる暴風に行く手を遮られ、積荷を海に捨てなければ、また船の道具までも犠牲にしなければ沈没してしまうほどの危機にさらされたのです。 「幾日もの間、太陽も星も見えず、暴風が激しく吹きすさぶので、ついに助かる望みは全く消え失せようとしていた」と聖書に書かれています。 神を信じたからといって、暴風や災難から免れることはありません。 キリスト者も嵐に出会い、逆風を受ける時があります。 パウロは望んでもいなかったところに連れて来られました。 「助かる望みは全く消え失せる」絶望の淵に追い込まれた時に一緒に船に乗っていたのは、パウロの忠告に全く耳を貸さなかった船員や船長や船主です。 貿易をしようとその一心で、積荷をいっぱい載せて目的地に向っている貿易商たちです。 囚人たちを捕らえて護送している百人隊長であり兵士たちです。 そのような人たちとともにいた暴風の真っ只中の船の中で、「ローマでも証しをしなければならない」とパウロに迫った神のみ声が再び響いたのです。 「パウロ、恐れるな。 あなたは皇帝の前に出頭しなければならない。 神は、一緒に航海しているすべての者を、あなたに任せてくださったのだ。」という神の使いの声がしたのです。 パウロはこの嵐の中でも、神の声に耳を澄ましているのです。聞くだけでなくそのみ言葉に立とうとします。 パウロは神のみ声を信じているから、失望が失望に終わらず希望に替わります。 そして、新しい道へと目を向けているから、同じように恐れを抱いている人々に希望を語りかけることができるのです。 「皆さん、元気を出しなさい。 わたしは神を信じています。 わたしに告げられたことは、そのとおりになります。」と、「わたしが仕え、礼拝している神がわたしのそばに立ってそう告げた」と叫びます。 暴風を受けているその船の中に、このパウロの言葉が響きました。 「皇帝の前に出頭しなければならない。 それまで、船そのものが失われたとしても命は失われることはない。 わたしたちは、必ず、どこかの島に打ち上げられるはずです。」とパウロは確信していたのでした。 パウロの確信は、神に仕え、祈り、賛美し、礼拝して、神との交わりの中にいたからです。 その交わりによって、神にパウロ自身が捕らえられていたからです。 ですから、「助かる望みが全く消え失せようとしていた」状態にあっても、パウロは繰り返し神のみ言葉を聞くことができた。 信じることができた。 自分を神のみ心に委ねることができたのです。 もはや船の導き手は、船長から神のみ言葉に固く立つ囚人パウロに移りました。 すべてのものを失った船に乗っていた人々は、ありのままの裸の姿でパウロと一緒に救われたのです。 沈没しそうな状況にある時こそ、救われた一人のキリスト者の存在は大きいのです。



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