秋田バプテスト教会 |公式ホームページ

キリスト教や聖書、結婚式や葬儀も相談できるキリスト教会です。

「父ヤコブの苦悩と信仰」 創世記45章16節~46章4節

2025-08-10

 エジプト王ファラオの前でファラオが見た夢の解き明かしをしたヨセフは、夢の中にあった世界的な規模の飢饉に際し、食糧を貯えることをファラオに進言した。 それが、エジプトのみならず周辺諸国をも救うことになった。 そこにヨセフのイスラエルの兄たちが食糧を求めてカナンの地より、穀物管理のエジプトの宰相ヨセフのもとにやって来たのです。 ヨセフにしてみれば、銀貨20枚で売られてエジプトに追いやられたのです。 父ヤコブには野獣に食われたと嘘の報告をされ、家族から引き裂かれ、父ヤコブをひどく悲しませたのです。 すぐに兄たちであることが分かったヨセフは、「本当に正直な人間だと言うのなら、兄弟の内の一人だけを牢獄に監禁するから、他の者は飢えている家族のために穀物をもって帰り、末の息子をここに連れて来なさい。」と命じ、兄たちの袋に穀物を詰め支払った銀を受け取ることなく返し、帰る道のりまでの食糧をも与えたのです。 このヨセフの命令を受けた兄たちは、弟ヨセフのことで罰を受けているのではないかと恐れたと言います。 兄たちから説得を受けた父ヤコブは、「どうか、神がその人の前でお前たちを憐れみ、監禁されているシメオンとこの末の弟ベニヤミンを返してくださるように。」と祈ったのです。 カナンの地に残されていた父ヤコブと兄たちの葛藤の姿です。 以前の兄たちとは全く異なる、兄弟がひとつとなった姿になったことを見届けたヨセフは、ここに至ってついに、「わたしはあなたたちがエジプトへ売った弟のヨセフです。 お父さんはまだ生きておられますか。」と告白し始め、「命を救うために、神がわたしをあなたたちより先にお遣わしになったのです。 わたしをここへ遣わされたのは、あなたたちではなく、神です。」と語ったのです。 嫌がらせのようなヨセフの仕打ちこそ、ヤコブの息子12人がひとつとなって神の民イスラエル12部族として築き上げられるためではなかったか。 エジプトにいるヨセフとカナンの地に留まる兄弟たちがひとつにされたのは、ヨセフが先に異国の地エジプトに遣わされて、神とともにいて養われていたからではないかと思わされるのです。 もうひとつの感動の場面が、130歳になっていた父ヤコブと息子ヨセフの22年ぶりの再会です。 兄たちはヨセフの告白を聞いて、父ヤコブに「ヨセフがまだ生きています。 しかもエジプト全国を治める者になっています。」と報告する。 それを聞いた父ヤコブは「気が遠くなった」と言う。 ヤコブはこの時初めて、ヨセフをもうすでに諦めていたことに気づかされた瞬間ではなかったでしょうか。 忘れていたヤコブの祈りに対して、ずっと生きて働いておられた神の働きに対する畏れが生まれたのです。 神の約束が生き続けていた確信に立ったヤコブは、「元気を取り戻した」と言う。 心が新たにされて、「わたしは行こう。 死ぬ前にヨセフに会いたい。」と、神から約束されていたはずのカナンの地を離れることを決断するのです。 それが「ベエル・シェバ」という場所の礼拝でした。 アブラハムがここで井戸を掘り当て、約束の地を初めて得て、神のみ名を呼んで礼拝した場所です。 イサクが祭壇を築いて主の名を呼んで礼拝した場所です。 ヤコブ自身もかつて夢の中で神に出会った場所です。 ヨセフとの再会の喜びでもない、ヨセフのもとに身を寄せる生活の安定のためでもない、神の御心に委ねていく信仰がそこに表されたのです。 約束された土地、神の祝福にしがみつくのではなく、祝福を与えてくださったお方にしがみついたのです。 その時、約束の地カナンから離れて、また連れ戻されるという約束を、ヨセフはそこで得たのです。 「終わり」から「今」を、やがて訪れる「将来」から「現実」を見る。 聖霊によって、神の約束を信じることができるようになる。 隠された神のみ心を聖霊によって現実の中に見出し、やがて訪れる「終わり」の神の恵みの完成の希望に生かされるようになるのです。



バナー
バナー

お知らせ

過去の記事



〒010-0917
秋田市泉中央3−2−1
TEL/FAX 018-862-5357(教会)
TEL 018-863-4228(幼稚園)
牧師 村上悦二
協力牧師 渡部元