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「黙示録が語るクリスマス」 ヨハネの黙示録5章1~14節

2022-12-18

 黙示録の著者は、「わたしは、あなたがたの兄弟であり、共にイエスと結ばれて、その苦難、支配、忍耐にあずかっているヨハネである。 わたしは、神の言葉とイエスの証しのゆえに、パトモスと呼ばれる島にいた。」と言います。 パトモス島とは政治犯が流されていた流刑の地で、ヨハネはパトモス島に幽閉されていたのです。 ローマ帝国の激しい迫害のもと、ヨハネ自身が流刑の身の痛みを抱えながら、同じ痛みの中にあった諸教会にある信徒たちに書き送られた文書です。 その冒頭に、「イエス・キリストの黙示」、「この黙示は、すぐにも起こるはずのことを、神がその僕たちに示すためキリストにお与えになり、そして、キリストがその天使を送って僕ヨハネにお伝えになったものである。」と言います。 ヨハネが語っていることは、隠された真実がイエス・キリストによって明らかにされたものである。 ヨハネが、幻をもって見させていただいたものを、同じように迫害を受け、呻き、涙を流しているところに届くようにと語るのです。 私たちと同じからだを背負い、私たち以上に深く苦しんで、永遠の滅びに至るその極限から復活という新しい命を神の恵みによって授けられたイエス・キリストが私たちと共におられる。 「今おられ、かつておられ、やがて来られるお方」から「恵みと平和があなたがたにあるように」と流刑の地より祈るのです。 ヨハネが見た幻とは、「天で行われている礼拝」でした。 私たちの目や耳や心で見るものではなく、この地上の現実の中に働いている霊なる働きを恵みによって見るということでしょう。 そこには、玉座に座っておられる方がいる。 その玉座の周りに、二十四人の長老、四つの生き物がいた。 この地上の歴史を支配しておられる方の周りを、様々な代表者たちや一切の生き物が取り囲んでいた。 その玉座に座っておられる方の右の手には巻物があった。 天地の創造から天地の完成に至るまでの神の奥義である巻物です。 それは、七つの封印で封じられていたと言います。 「この封印を解いて、この巻物を開くのにふさわしい者はだれか。」と大声で告げられたのに、この巻物を開くことのできる者がだれもいない。 神のご計画が手の届くところに置かれているのに、だれも手をつけなかったのでヨハネは激しく泣いたと言います。 そこに、「泣くな。 見よ。 ダビデのひこばえが、七つの封印を開いて、その巻物を開くことができる。」という声がかけられた。 「四つの生き物と二十四人の長老は、この小羊の前にひれ伏した。」と言うのです。 旧約聖書が語る「ダビデの子孫から生まれ出る若枝、切り株から萌え出る若い芽」であるメシア、新約聖書が語る「世の罪を取り除く神の小羊」であるイエス・キリストが現れ、七つの封印を解いて、神の奥義を説き明かす者として、天における礼拝にて大いなる賛美と礼拝に包まれ、新しい賛美が起こされたと言うのです。 この黙示録が預言している当時の戦争、内乱、難民、食糧飢饉、疫病などは、今日の私たちの現実に近いものを感じます。 新しい賛美とは、神の新しい恵みの業に対する私たちの応答です。 天の礼拝での大合唱では、「玉座に座っておられる方と小羊とに、賛美、誉れ、栄光、そして権力が、世々限りなくありますように。」と歌われています。 「おのおの、竪琴と、香のいっぱい入った金の鉢とを手に持って、小羊の前にひれ伏した。 この香は聖なる者たちの祈りである。」と言います。 私たちのささげた「祈り」が、神の前でひとりの香りとして臭いを放っていると言うのです。 私たちのささげる賛美も祈りも、天において賛美されている歌、祈られている祈りに合わせられて、私たちひとりひとりが通らされているこの地上の生涯の中で、神の前にささげられているのです。



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