「キリストに従う家」 エフェソの信徒への手紙6章1~4節
十戒の第五番目の戒め、「あなたの父母を敬え。あなたの神、主が命じられたとおりに。 そうすればあなたは、あなたの神、主が与えられる土地に長く生き、幸いを得る。」という戒めは、特別な役目を果たしています。 神が、私たち人間の生活に最初に望んでおられる戒めです。 「そうすれば幸いを得る」という神の約束が付け加えられている戒めです。 神に向っての戒めに従って初めて、私たち人間の生活に対する戒めが始まるという、最初の重要な場所に置かれている戒めです。 エフェソの信徒へ差し出されたこの手紙では、この戒めの役目を、十戒に示されている通りに書かれています。 そのうえで、子供たちには「主に結ばれている者として両親に従いなさい」 父親たちには「主がしつけ諭されるように、育てなさい」と言い換えています。 この手紙では、当時の信仰者の日常生活の中で、「妻と夫」、「親と子」、「奴隷と主人」という人間のありのままの関係を通して一体として語っています。 その語る中心は、「いつも、あらゆることについて、わたしたちの主イエス・キリストの名により、父である神に感謝しなさい。」 それと同時に「キリストに対する畏れをもって、互いに仕え合いなさい。」というみことばです。 「親と子」の関係にあっても、先ず子供たちに「主に結ばれている者として両親に従いなさい。 それは正しいことです。」と迫ります。 父親たちにも、「主がしつけ諭されるように、育てなさい」と言います。 主イエス・キリストが私たちにしてくださったように、あなたがたもしなさいと言っているのです。 子であれ、親であれ、主イエス・キリストに結ばれるようにと、私たちは問い直されているのではないでしょうか。 主イエス・キリストに従うという生活の中で、もう一度、親を親として受け止め直す。 自分がこの子の親であることを受け止め直すということです。 自分自身こそが、この当たり前と思われている関係に主イエス・キリストに結ばれる者として新しく生きるということです。 この戒めが、私たちに、主イエス・キリストの名によって、約束された祝福の伴う新しい生き方を選び取るよう迫ります。 父と母、子という務めを通して、親も子も神に仕えなさいと語ります。 私たちは、「主に結ばれている者として両親に従いなさい」 こう言える親であり、そう聴ける子でありたいと願います。 主イエス・キリストに従うために、神の恵みとして与えられたかけがえのない神の家、神の家族、兄弟姉妹であります。