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「天まで達する階段」 創世記28章10~22節 

2020-06-21

 ヤコブは父イサクの家を離れ出て、ひとり旅の途中にあります。 理由は、父イサクの家の家督相続の問題です。 アブラハム、イサクと引き継がれてきた神の祝福を、ヤコブは自分が引き継ごうと母リベカとともに画策した。 兄エサウが神の祝福にまったく無頓着であったことを利用して、父イサクを欺き長子の権利と父親が受け継いだ神の祝福をすべて引き継ぐ約束を、知恵と策略によって手に入れたのです。 それが後日発覚して、欺かれた兄エサウの怒りに触れ、母リベカの意向もあり、その怒りを避けるため遠く親戚の家に身を隠すために、父の家を離れ出たのです。 ヤコブの心境は、殺されるかもしれないという兄エサウへの「恐れ」があったでしょう。 父イサクの家を出て、故郷を捨てなければならなかった。 せっかく手にしたと思ったすべての神の祝福を手放さなければならなかった。 また、この一人旅が無事目的地にたどり着くかどうか、たどり着いたとしても自分が迎え入れてもらえるかどうか、その保証も確信もなかったのです。 そこで、「とある場所に来たとき、日が沈んだので、一夜を過ごすことにした。 その場所にあった石をひとつとって枕にして、横たわった。 すると、ヤコブは夢を見た。」と言うのです。 
 その「夢」は、「先端が天まで達する階段」でした。 「その階段が地に向かって伸びている。 しかも、その階段を、神の御使いたちが上ったり、下ったりしている。」のです。 その階段の傍らに神が立って、ヤコブに夢の中で、「わたしは、あなたに土地を与える。 あなたの子孫を豊かに広げる。 あなたとあなたの子孫は、手放さなければならなかったわたしの祝福に入る。」と約束されたのです。 加えて、「わたしが約束したことを果たすまで、あなたがどこへ行っても、わたしはあなたと共にいる。 あなたを守る。 必ず、この約束の地に連れ帰る。 あなたを見捨てない。」と、夢の中で語られたと言います。 兄エサウを恐れて、先行きを見通せないひとり旅の途上です。 手に入れたはずのものをすべて捨てて、父の家を離れて身を隠す途上です。 人里離れた、雨露をしのぐ覆いさえない、地面に身を置いて野宿しなければならないところです。 恐れと不安と後悔の真っただ中に、日が沈んで石を枕にして寝ていたその時です。 天と地をつなぐ「階段」が見えた。 神の御使いたちが上り下りする姿が見えた。 その「階段」は、天から地に向かって伸びていた。 神と私たちを結ぶ「階段」が、天から地に向けて備えられていた。 神の憐れみによって差し伸べられた「階段」を仰ぐことができた。 神のみ心に従って働く神の御使いたちが行き来する、先端が天まで達する神との交わりを許された「階段」に、ヤコブは気づかされたのです。 羽仁もと子さんはこの「階段」を、イエス・キリストである。 私たちのもとに留まる聖霊であると言うのです。 イエスご自身も、「わたしは道であり、真理であり、命である。 わたしを通らなければ、だれも父のもとに行くことはできない。」と言われました。 その夢の中の階段の傍らに立って、神はヤコブに呼びかけるのです。 「今、一度は手放したこの土地、子孫の祝福をこのわたしが与える。 その約束を果たすまで、わたしはあなたとともにいる。 たとえ、あなたがどこに行ったとしても、わたしがあなたを守る。 あなたを、今ここから離れようとしているこの約束の地に再び連れ帰る。 それまで見捨てることはない。」と呼びかけられたのです。 ヤコブは驚いて、「ここはなんと畏れ多い場所、まさしく神の家である。」と告白するほどに、人を恐れていた者から神を畏れる者に変えられたのです。 父イサクを通して得ようとした祝福を、神から直接手渡される約束を得たのです。 父の家を離れた者が神の家に招かれのです。 この後、20年間にわたる寄留の身の忍耐を与えられたのです。



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